経鼻内視鏡(径5.9mmの極細径内視鏡を用いた検査)アーカイブ
経鼻内視鏡(径5.9mmの極細径内視鏡を用いた検査)について
当院では、経鼻内視鏡として使うことのできる極細径内視鏡を、経口で用いています。この方が、麻酔が簡便で、鼻腔を通すことによる合併症がないからです。
経鼻(極細径)内視鏡の長所
経鼻内視鏡は、スコープ径が5.9mmと細いので、従来の内視鏡と比べて、楽に検査を進めることができます。経口でも経鼻でも、食道の入り口を通過する時が技術を要する箇所で、スコープ径が細い方が、楽に通過できるのです。
経鼻で挿入すると舌根に当たらず反射が起きないから楽である、とも言われています。(患者さんに適切な姿勢をとってもらい、のど元を十分に展開し、全体を見ることができれば、通常径のスコープでも舌根部で反射を起こさず、通過することができます。検査を受けるときの姿勢と、医師の技術に大きく左右されます。医師・看護師を信頼して、安心して受診して下さい。)
経鼻(極細径)内視鏡の短所
画質は、経鼻(極細径)内視鏡はBLI併用拡大内視鏡よりかなり劣ります。細かな観察ができず、微細な所見は見落とす恐れがあります。経鼻内視鏡は精密検査ではありません。また、径が細いので、唾液の吸引や胃内容の洗浄には手間と時間がかかります。
以上のことをご理解いただいた上で、当方へご相談下さい。
経鼻内視鏡と拡大内視鏡の比較
患者Aさんのケースです。
経鼻内視鏡
拡大内視鏡(同一患者)
食道胃接合部の逆流性食道炎。1時の方向に楔状の発赤があります。
経鼻内視鏡
拡大内視鏡(同一患者)
胃体部上方のヒダ
最新の経鼻内視鏡は画角が広がり、画質もとても良くなっています。
当院の経鼻内視鏡は、少々世代の古い機種を使用していますが、次世代のBLIに対応した機種が出たら、導入する予定です。
経鼻内視鏡(最新機種をデモ使用)
拡大内視鏡(同一患者)
健常な食道胃接合部。短いバレット粘膜はありますが、食道炎はありません。
経鼻内視鏡(最新機種をデモ使用)
拡大内視鏡(同一患者)
胃体部大弯のヒダ。ピロリ菌陰性の健常粘膜です。