当院の大腸内視鏡
大腸内視鏡検査とは、肛門から内視鏡を挿入し、大腸内部を検査する方法です。この検査ではおもに大腸がんやポリープ、炎症の状況などを判別できます。痛みや違和感なく検査を行えるかは経験と技術が要されますが、年間平均470件以上を行うベテランの医師がおこないますので安心して受診していただけます。
年間の大腸内視鏡検査受診者数
年 | 件数 |
---|---|
平成29年 | 446件 |
平成28年 | 491件 |
平成27年 | 552件 |
平成26年 | 452件 |
平成25年 | 427件 |
大腸検査時の痛みについて
当院に来られる方の中にも、大腸内視鏡は痛い、苦しいのではないか、と不安に思われる方が多くいらっしゃいます。
大腸の長さ・太さ・形には個人差がありますが、腸管を蛇腹のようにたたみながらスコープを進められれば、余り痛みはありません。しかし、便秘の人、痩せた小柄な女性、肥満体形の男性、S状結腸に憩室が多発している人、腹部の手術後(特に胃がん・開腹胆摘など)は挿入困難な場合があり、痛くなることがあります。
まず盲腸・回腸末端まで挿入し、良く観察しながら抜去します。7割程度の方は盲腸到達時間が5分以内で、殆んど痛みはありません。1割以下の頻度ですが10分以上かかる場合は、前記のような方で、押されるような、引っ張られるような痛みが多少あります。
2回目以降の方は、どこでどのように苦労するのか分かっていますので、スムースに検査できることが多いのですが、何回行っても大変な方は、鎮静剤を注射してウトウトした状態で検査を受けることもできます。当院では、太さ、硬さの異なる3種類のスコープを状況に合わせて使い分けます。
-
下部(大腸)内視鏡検査用スコープ
左から11.8mm、9.2mm。ほとんどの検査を拡大機能がついている11.8mmを用いていますが、9.2mmは腸管が細い方や腹部手術を何度も受けて癒着の強い方に用います。
よくある質問
- 内視鏡検査にはどのくらい時間がかかりますか?
-
検査そのものの時間は約15分程度、「挿入」に5分、「抜去しながら観察」に9分が目安です。医院に滞在する時間は約1時間半程度とお考えください。
- 内視鏡検査の後、食事はいつ頃から可能ですか?
-
検査終了後、30分程度で食事は可能です。
希望者や、以前の検査で挿入困難がわかっている方などは点滴で鎮静剤を用いることがあり、その場合は鎮静剤の効果が切れてから食事が可能です。
- 内視鏡検査の時、全身麻酔はしてくれますか?
-
希望者や、以前の検査で挿入困難がわかっている場合は、点滴で鎮静剤を用いることがあります。全身麻酔ではありません。詳しくは「鎮静下内視鏡」のページをご参照ください。
- 内視鏡検査の時、付き添いは必要ですか?
-
検査のために鎮静剤を用いた場合は、鎮静剤の効果が完全に切れるまで時間がかかります。安全に帰宅してもらうために、できる限り、付き添いの方と一緒に来院して下さい。鎮静剤を用いなかった場合は、必要ありません。
- いつごろ大腸検査を受けた方がいいでしょうか?
-
「40歳になったら一度まず大腸内視鏡を」と推奨されています。しかし、30歳代でもがんは発見されています。大腸がんは、出血、便通異常(便秘・下痢・便の狭小化)、腹痛・腹満といった症状が現れた時は既に進行がんです。心配であれば、内視鏡検査を受けましょう。
便潜血検査は隆起型の腫瘍・ポリープの場合に陽性になり易く、陰性でも小型のポリープや平坦型の腫瘍が発見されることがあります。
初期のがん(腺腫内癌・粘膜内癌)で発見され、内視鏡で治療できれば、ほぼ完治可能です。
ポリープの無いきれいな大腸であれば、次の検査は3年後で良いと言われています。
- 下痢が何日も続くので心配です
-
細菌やウィルスによる感染性腸炎の場合は、数日から長くても2週間で症状はおさまります。しかし、長期に下痢が続いたり、出血も伴ったりした場合は、ストレス性の過敏性腸症候群や、慢性的な炎症性腸疾患の可能性があります。これらの疾患は10歳代でも可能性がありますので、大腸内視鏡検査を行う必要があります。
- もし大腸にポリープがみつかったら、どうすれば良いですか?
-
切除すべき腫瘍か、切除しなくて良い病変かは、拡大観察して表面微細構造を観察して判断します。5mm以上の腫瘍は切除し、4mm以下なら生検鉗子でつまんで対処します。20mmまでの腫瘍は日帰り手術で治療しますが、それ以上の腫瘍は、入院治療をするように病院を紹介します。
- 痔を患っており、先日出血しました。大腸がんが心配です
-
痔は多くの方が持っている疾患です。痔からの出血でも便潜血反応は陽性になります。出血を痔のせいだと自分勝手に判断せず、一度、大腸内視鏡検査を受けて下さい。その後も定期的に検査を受けることをおすすめします。
受診の流れ
-
Flow1-1
午前中に検査する場合(9:00~ / 9:30~)
-
検査前日の注意事項
検査前日は検査食を指定どおりに食べて下さい。
水分は多めに摂取して下さい(ただし、酒類、野菜スープ・コーンスープはのんではいけません)。夜6時から、浣腸液(スクリット)1リットルを、1時間かけてゆっくり飲んで下さい。この1リットルだけでかなり大腸が綺麗になる方もいますが、全く排便のない方もいますので、便が出なくても気にしないで下さい。
-
検査当日、自宅での注意事項
検査当日は、朝5時から残りの洗腸液1リットルを飲んで下さい。水様の下痢が何回も出ますが、大腸の内容がなくなると排便もなくなりますので、その後、9時前に来院して下さい。
検査終了まで絶食ですが、水分は自由に飲んで下さい。
-
-
Flow1-2
午後に検査する場合(14:00~ / 14:30~)
-
検査前日の注意事項
前日の飲食については午前検査の方と同様ですが、自宅または院内で洗腸液2リットルをゆっくり飲んで頂きます。
-
-
Flow2
検査前
検査着・検査用のトランクスにはきかえます。
大腸内視鏡検査は、腸の動きをゆっくりにする薬を筋肉注射しますが、原則として無麻酔で行います。
(希望者や、以前の検査で挿入困難がわかっている方は点滴で鎮静剤を用いることがあります) -
Flow3
内視鏡検査の開始
検査台に横向きで寝ます。初めに肛門に麻酔ゼリーを塗り、検査を開始します。
直腸から盲腸へ逆行性にスコープを進め、それからゆっくり引き戻しながら病変の有無をチェックします。
挿入には平均で5分、抜去しながらの観察には10分近くかかり、計15分で検査自体は終了します。
検査終了後は暫く休んだ後、診察し結果を説明します。 -
Flow4
ポリープを見つけた場合
隆起した病変はポリープと呼びます。ポリープを見つけた場合は拡大観察を行い、表面の腺溝構造(ピットパターン)を調べ、腫瘍(微小な癌も含む)なのか、過形成性なのか診断します。
- 4mm以下の腫瘍性のポリープは、生検鉗子でつまむ事によって、殆どなくなってしまいます。
- 5mm以上、10mm未満のポリープは、発見した時に切除します。
- 10mm以上の腫瘍性ポリープは、基本的には治療法・合併症・注意事項を十分説明・準備をした上で、日を改めて粘膜切除術を行います。
手術はポリープの大きさが20mm以下であれば、日帰り手術で行います。帰宅後に出血した場合は当院で再検査します(出血した血管に医療用クリップをかけて止血します)。
初めて大腸内視鏡検査を受けた方に対しては、検査後に注腸検査を行うことがあります。
注腸写真は10年以上保管します
料金のご案内
検査内容\負担割合 | 3割負担 | 1割負担 |
---|---|---|
下部消化器内視鏡検査 (初診・診察・採血を含む) |
8,360円 | 2,790円 |
下部消化器内視鏡検査+注腸造影 (初診・診察・採血を含む) |
13,120円 | 4,370円 |