当院の経鼻内視鏡
当院では通常、拡大内視鏡を用いて毎日検査をしていますが、内視鏡検査に対する恐怖心が強くなかなか初回の検査に踏み切れない人、何回検査を受けても、のど元を通るときの反射が強い人に経鼻内視鏡はおすすめです。
千葉市でも、平成29年度から「胃がん内視鏡検診」が開始になり、今回更新した経鼻内視鏡は、スクリーニング(検診)には十分な画質・性能を有しています。CCDが高性能になったり、レーザー光を利用したIEE(画像強調)機能も優れています。
経鼻にせよ、経口にせよ、施行医師の力量によって、苦痛の程度、診断精度には差があります。信頼できる内視鏡医を是非、見つけて下さい。
経鼻(極細径)内視鏡の画像解像度
画像は、同一患者さんの経口内視鏡(2年前)と経鼻内視鏡のほぼ同一部位を比較した画像です。経鼻内視鏡の画像・性能はとても良くなっています。2~3世代前の経口内視鏡画像と、最新の経鼻内視鏡画像を並べて、「どっちが経鼻の画像かわかりませんね」と提示する講演もあるほどです(最新型の高解像度経口内視鏡画像と比べれば、さすがにその違いは一目瞭然ですが……) 。
同一患者様による画像比較
中部食道の画像です。
経口でも経鼻でも、樹枝状血管網が良く見えています。
下部食道の画像です。
経鼻はLCI強調画像、経口はBLI-bright画像。最近はBLI(≒NBI)よりも元の色調に近い強調画像であるLCIで観察することの方が多いです。
十二指腸球部の画像です。
細かい粘膜構造がみられます。
胃前庭部です。
幽門輪から放射状に伸びる発赤がみられます。
胃体部大弯の画像です。
送気して大弯ヒダを良く伸展させて観察します。
経口内視鏡との違い
こちらは、経口内視鏡で撮影した食道の拡大画像(乳頭血管の増生)です。
経口内視鏡では、気になる箇所を拡大観察できるため、その場で病変の診断ができることがメリットです。
経鼻内視鏡では拡大はできません。病変が見つかった際は、組織を採取し、病理検査を行います。
よくある質問
- 内視鏡検査にはどのくらい時間がかかりますか?
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検査そのものの時間は約5分程度です。医院に滞在する時間は約1時間半程度とお考えください。
- 内視鏡検査の後、食事はいつ頃から可能ですか?
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検査終了後、30分程度で食事は可能です。
希望者や、以前の検査で挿入困難がわかっている方などは点滴で鎮静剤を用いることがあり、その場合は鎮痛剤の効果が切れてから食事が可能です。
- 内視鏡検査の時、全身麻酔はしてくれますか?
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希望者や、以前の検査で挿入困難がわかっている場合は、点滴で鎮静剤を用いることがあります。全身麻酔ではありません。詳しくは「鎮静下内視鏡」のページをご参照ください。
当院では通常、上部内視鏡はのどの麻酔のみで行います。
- 内視鏡検査の時、付き添いは必要ですか?
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検査のために鎮静剤を用いた場合は、鎮静剤の効果が完全に切れるまで時間がかかります。安全に帰宅してもらうために、できる限り、付き添いの方と一緒に来院して下さい。鎮静剤を用いなかった場合は、必要ありません。
- 毎年バリウムで要精密検査と言われますが、何故でしょうか?胃がんも心配です
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胃潰瘍の瘢痕や不整形の胃ポリープなどがあると、バリウム検査を受ける度に「要精密検査」となりますので、胃内視鏡検査を受けるよう指示されると思います。新たに病変が出現することもありますので、今まで大丈夫だったからと変に安心せず、内視鏡検査を受けて下さい。
バリウム検診は、ある程度の大きさの胃がんは発見できますが、早期胃癌を発見することはかなり困難です。また、食道表在癌の発見はほぼ不可能です。
上部消化管内視鏡は、口腔・食道・胃・十二指腸まで観察し、病変箇所は拡大観察し、生検して病理診断まで行うことが出来ます。
- 経鼻内視鏡はあまり痛みがないと聞きましたが、実際にはどうでしょうか?
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確かにのど周辺を通過する時の痛みはほとんど無く、内視鏡検査に対する恐怖心を減らし受診者を増やす結果に繋がっています。しかし、従来の経口内視鏡と同様、施行する医師の「技術」「センス」にかなり左右されますので、是非上手な医師を探して下さい。
経鼻内視鏡のメリット・デメリットをまとめてみました。
経鼻内視鏡のメリット:通常の内視鏡より細径で、咽頭反射がほとんど無く、のどの通過がとても楽です。検査中の会話ができます。画質も大分改善されてきており、小病変の発見もかなり可能になりました。
経鼻内視鏡のデメリット:鼻腔の麻酔が煩雑。鼻腔が狭い人は通過できないことや鼻出血することがあります。胃内で粘液・内容液の洗浄吸引に時間がかかる。画質が経口内視鏡に比べて劣り、精密検査とはならない(搭載CCDが小さい為)。
- 最近よく咳込むので、食道癌が心配です
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食道癌の症状は、「固形物がつかえる」「液体が下りて行かない」「のどが痛い」「咳込む・むせる」「熱い物・冷たい物がしみる」「体重減少・痩せた」「息が臭い」などです。これら症状が出てしまっては既に進行癌で、外科手術や放射線化学療法の対象です。
食道癌は、粘膜下層の深部に浸潤するとリンパ節転移が40%に達し、リンパ節郭清を含んだ大手術が必要になります。粘膜内にとどまった段階で見つける必要があります。その為には、症状が無くても定期的に内視鏡検査を、それも良く表在食道癌を知っている医師に行ってもらう必要があります。
食道癌は男性に多く、飲酒・喫煙歴の長い人に多く、フラッシャー(酒を飲むと顔が真っ赤になる人)だったのに飲めるように鍛えた人に多いと分かっています。最近は、食道裂孔ヘルニアから食道炎・バレット食道になり、バレット食道がんが発見されることが増加しています。胸焼け症状も放置しないで下さい。
料金のご案内
検査内容\負担割合 | 3割負担 | 1割負担 |
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上部消化器内視鏡検査 (初診・診察・採血を含む) |
6,680円 | 2,230円 |