消化器内科/症例紹介

消化器内科症例紹介

令和3年 症例

症例1 早期食道癌  (来院動機)胸やけ

77歳女性。  喫煙:3年前まで20本×40年、飲酒:焼酎毎日500ml×40年。

胸やけがするので、26年振りに胃カメラ(以下GS)を施行したところ、下部食道に7mmの小隆起性病変を認めました。異所性胃粘膜様でしたが、拡大観察では不整型のB1血管が不規則配列し、生検で扁平上皮癌と診断されました。不思議な病変なので、詳細な診断を期し某病院を紹介しましたが、内視鏡治療中に狭心症を発症し中断、翌月焼灼術を施行しました。現在は高血圧で当院通院中です。

 

 

 

症例2 進行食道癌  (来院動機)摂食障害

56歳男性。  喫煙:20本×38年、飲酒:ビール毎日700ml×25年。

2週間前から食事が通らなくなり、当院受診し、同日9年振りにGSを施行しました。9年前は胃潰瘍があり、ピロリ菌を除菌しましたが、以後検査していませんでした。中部食道に長径7cmの進行癌を認めましたが、Scopeは通過しました。すぐに紹介し、術前化学療法を行った後、手術を施行しました。

 

 

症例3 早期胃癌   (来院動機)胃痛

48歳女性。1ヶ月前からの胃痛を主訴に受診。制酸剤を処方し4週後に人生初のGSを施行。胃角後壁に2cmの陥凹性病変を認め、拡大観察すると不整血管を伴っており、生検で印環細胞癌と診断されました。ピロリ抗体は陽性でしたが、胃癌治療前は除菌せずに病院を紹介。翌月、ロボット支援下で幽門側胃切除術を施行、1週間で退院。半年後に再来時に除菌しました。

 

 

 

症例4 進行胃癌   (来院動機)食物逆流

76歳男性。食べた物が逆流するので、お粥を食べていて、1ヶ月経って当院受診し、翌日GSを施行しました(24年振り)。噴門に大きな腫瘍があり通常scopeは通過しないので、細径scopeにかえて胃側の腫瘍を診断し、即、紹介。経口摂取不能なので入院し、経鼻胃管で栄養をつけながら化学療法を施行。翌月退院。外来化学療法を継続中とのことです。
当院受診3ヶ月前にコロナワクチンを接種していましたが、癌の検診はおろそかにしてはいけません。

 

症例5 大腸ポリープ癌 (来院動機)会社健診

51歳男性。会社健診で便潜血が2回とも陽性になり、翌月受診しました。1週後、人生初の大腸内視鏡(以下CS)を施行。S状結腸に2cm弱の有茎性ポリープを認めました。翌月に内視鏡治療を予定しましたが、当日コロナ感染が判明し延期。半年後に再来し、切除術を施行しました。癌はポリープ内にとどまっていてくれました。

 

症例6 大腸sm浸潤癌 (来院動機)下血

53歳男性。10日前から便に血が付着するので受診しました。3日後、CS施行(初めて)。直腸に自発出血する10mmの隆起性の腫瘍を認めました。小病変ですが浸潤癌と考え病院を紹介。病院では内視鏡的粘膜切除術を施行しましたが、粘膜下層に2000μm浸潤していたため、翌月、直腸切除術を施行。脈管浸潤を認め、経過観察中とのことです。

 

症例7 進行大腸癌   (来院動機)市検診

69歳女性。市の大腸癌検診で便潜血が1回陽性になり、翌月受診しました。4日後、CS施行(初めて)。上行結腸に20mmの小振りの進行癌を認め、すぐ病院を紹介。翌月、腹腔鏡下で結腸切除術を施行し、翌週退院しました。

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