大腸内視鏡、令和2年検査結果
激変の令和2年が終わり、終わった途端、ようやく緊急事態宣言再発出になったものの、千葉県も新規患者数、重症患者数もなかなか期待するように減少しません。
21日、良いのか悪いのか、宣言解除になりましたが、ワクチン接種も手間取っているようですし、国産ワクチンも遅々として承認されず、更にハードルも上げられてしまいました。
さて、2月28日で今年度の検診が終了しましたので、昨年1年間の大腸内視鏡の結果を報告します。
今年も職員一丸となり、変わらず地域医療を継続していきます。宜しくお願い致します。
1) 総検査数418例(昨年は480例、昨年比13%減)
特に4月は27例で40%減、5月は16例で54%減でした。
TotalColonoscopyは410例試み、完遂409例
盲腸到達率99.8%、回腸末端観察99.5%。
男女比は、ぴったり209:209
うち、鎮静下(ドルミカム使用)の検査は15例3.6%でした(男2:女13)。
2) 盲腸到達時間 中央値4.6分(男3.6分、女5.4分)
1.~3分以内に到達:125例(30.5%)
2.~5分以内:139例(33.9%)
3.~10分以内:119例(29.0%)
4.10分越え:27例(6.6%)
男性の方が大腸の短い人が多いようです。盲腸到達に10分を越えてしまった人は6.6%ですが、50代、60代の女性に多い傾向にあります。
3) 年齢 24-89歳、平均61.2歳
高齢になるに従って受診が増加するのですが、男性は働き盛りの30歳代で1度心配になり受診、女性は40歳代から受診が増加してきます。
「40歳になったら一度は大腸内視鏡を」と薦めています。
4) 検査目的
1.大腸癌検診で便潜血陽性になり、来院 138例
そのうち腺腫・癌あり84例(ADR=61%) (癌発見率8.0%=11例)
2.過去に受けた大腸検査、polyp切除後の経過観察 97例
そのうち腺腫・癌あり52例(ADR=54%) (癌発見率1.0%=1例)
3.出血(血便、黒色便、貧血等) 54例
そのうち腺腫・癌あり23例(ADR=43%) (癌発見率1.9%=1例)
4.便通異常(下痢26、便秘32) 72例
そのうち腺腫・癌あり29例(ADR=40%) (癌発見率1.4%=1例)
5.腹痛 29例
そのうち腺腫・癌あり9例(ADR=31%) (癌発見率3.4%=1例)
6.その他(治療内視鏡、潰瘍性大腸炎の経過等) 28例
5) 発見された癌15例について
年齢:38歳~82歳(平均62.1歳)、男女比=8:7
早期癌は9例、進行癌は6例
(検診発見例では、早期癌7例、進行癌4例)。
次回は、癌の内視鏡画像のいくつかを供覧致します―――