消化器内科

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令和3年、大腸内視鏡検査の結果集計(1)

令和3年(1-12月)の大腸内視鏡検査(CS)の集計も終わりましたので、ご紹介します。

 

1. 総検査数  500例(昨年418例、前年比20%増)

コロナ禍で減少していた昨年より大分増加しました。
男女比は262:238 で、52.4%:47.6% でした。
・・・昨年より男性の受診者数の増加が顕著でした。
うち、鎮静下(ドルミカム使用)の検査は13例2.6%でした(男女比=2:11)
・・・S状結腸が複雑な方で、他院でのCSで辛い思いをした患者さんが大半でした。

 

 

2. 盲腸到達率 99.4%、 到達時間 4.7分

1)Total colonoscopyは493例に試み、完遂490例、盲腸到達率 99.4% 
   今年は3件、到達できない患者さんがいました。全員男性で、腹部の手術歴はありませんでした。
   ・・・肥満気味で、S状結腸がたわみ易く、scopeを直線化できない方でした。
   1名は、2cmのpolypがあり、紹介し、鎮静下で小腸内視鏡を用いて治療してもらいました。

2)盲腸に到達する時間は、最短1分、最長38分、中央値4.7分(男4.2分、女5.2分)
  60歳未満男性よりも、60歳以上女性が、到達に難渋することが多い傾向にあります。
  婦人科の手術既往や胃切除術後の方は、多少は難しくなります。

 

3. 年齢  19 ~ 95歳、平均60.9歳

19 ~ 39歳 : 51例(10.4%)
 40 ~ 59歳 : 169例(34.4%)
 60 ~ 79歳 : 202例(41.1%) 
 80歳以上 : 69例(14.1%)
 節目の60歳になると受診する方が多くなり、次回述べますが、癌の発見数も増えてきます。

 

4.検査目的 及び 腺腫発見率(ADR・・・全体では49.2%) 

1)便潜血陽性 142例  (千葉市の大腸がん検診や会社健診で陽性判定になった方)
   うち、腫瘍性病変 84例(ADR 59.2%)
  癌発見数13例(内視鏡治療8例、外科的治療5例)

2)経過観察  109例  (大腸polypを生検・治療した後や、数年振りの検査)
   うち、腫瘍性病変 57例(ADR 52.3%)
  癌発見数 2例(2例とも内視鏡治療)

3)下血・出血  75例 (紙に血が付いた、便に血が付いた、便器が赤くなった等)
   うち、腫瘍性病変 32例(ADR 43.4%)  
  癌発見数 4例(全例外科的治療)

4)便通異常   87例 (便秘や下痢、便が細くなった等)
   うち、腫瘍性病変 38例(ADR 43.7%)
  癌発見数2例(内視鏡治療、外科的治療1例ずつ)

5)腹痛・腹満  45例   うち、腫瘍性病変 22例(48.9%)   癌なし

6)その他    40例   うち、腫瘍性病変 12例(30%)    癌なし
以上より、検便検査は有用であると再確認できました。
また、出血を自覚しないうちに、是非内視鏡検査を受けて下さい。

次回、発見・治療した癌21例について、報告します。

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